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石垣市へ 事業参考に「尖閣研究」を寄贈

   尖閣学術調査と魚釣島のヤギ駆除、緊要な課題




「尖閣研究」、ヤギ被害の具体的対策を明記
   東京都 成功事例も取り上げる

 尖閣学術調査と魚釣島のヤギ駆除、緊要な課題
 石垣市として、尖閣諸島学術調査と魚釣島のヤギ被害は、緊要な課題だった。
 この事業に参考にと、尖閣研究の2つ資料:①高良学術調査団資料集」と②「尖閣諸島の自然・開発利用 に歴史と情報に関する調査報告」を贈呈した。

 ①の「調査団資料集」は、石垣市が尖閣諸島の学術調査を計画実施する際に、格好の参考資料となると判断 して贈呈した。
 ②の「調査報告」は、魚釣島のヤギ被害は深刻で、島の植生は破壊され、崩壊の危機にあり、その対策が急がれていた。 同報告には、ヤギ被害に対し、以下の項目で、具体的対策をまとめられている。
 1、魚釣島の自然、植生の特徴。
 2、ヤギ被害の実態把握、即ち現況調査の手法、及び調査の留意事項。
 3、ヤギ排除の手法、全頭排除が絶対条件で、生捕り・殺傷・銃殺等々あり。島の希少植物
の保護に留意しながら排除作業を進める。
 3、植生回復事業、即ち手法、及び回復事業に際しての留意事項。土砂の流出防止と種子散布、種子散布に利用する植物は自生種に限る。
 種の人為的移動に注意、靴底に種子が付着し運ばれる、外来植物の侵入に注意する。施行した手法に対し、 手法毎、その都度モニタリングする。等々。
 なお、東京都は小笠原諸島のヤギ排除(1994~2003)と植生回復事業に成功している。魚釣島は、東京都の成功事例を 参考にすべしとしている。

  (Ⅰ章2:「魚釣島のヤギ食害と植生被害、問題点と課題」より)
 以上の理由から、「尖閣研究」①②を、石垣市と東京都へ贈呈した。




 石垣市の尖閣諸島学術調査と自然保護対策は緊要な課題。
調査報告書を役立たせてほしいと中山市長に贈呈する新納会長。(編纂会2012.6.9)



 新納会長は、高良学術調査団の調査のあらましを記者へ説明、
魚釣島では、野生ヤギの食害で、固有種、希少種など貴重な動植物が
絶滅しかかっている現状を訴えている。(同上)



 政府は尖閣へ上陸を禁止し、ヤギ被害の実態は調査できない現状にある。
幸い、東京都は尖閣調査を計画の旨。この報告書が調査の参考になれば。
その際、東京都で、ヤギ被害状況も調べてほしいと話す新納会長。(同上)




石垣市 東京都に、尖閣研究図書の一部寄贈
石原知事、「ぜひ活用したい」
都議会の各政党にも配布予定

TOKYO MX NEWS  2012年7月6日

 東京都が購入計画を進める尖閣諸島がある沖縄県石垣市の中山市長がきょう都庁を訪れました。
 中山市長は石原都知事と猪瀬副知事に尖閣諸島の調査をまとめた資料を贈りました。
 これは尖閣諸島の開拓の歴史や自然環境・漁業の概要などがまとめられたもので、 尖閣諸島に関して多方面から調査・研究された資料です。資料を手渡された石原知事は 「ぜひ活用したい。資料は、都議会の各政党に配る予定」と述べ、さらに漁業環境の改善提案 もしたということです。


 中山市長は「東京都の購入後になるが、石垣市も周辺で漁をしている漁業者の皆さん方がさら に安全な環境で漁が出来るように、整備とかを要望していきた い」と話しました。
 中山市長は今後も東京都と連携を取りたいと述べ、購入後の協力に前向きな姿勢を見せました。








2012年9月 東京都、尖閣調査を実施

 果たしても、国から上陸許可は得られず、
遺憾にも、洋上から調査せざるを得なかった。
 調査団が目にしたのは変わり果てた魚釣島の光景。
 ヤギ被害は拡大し、貴重な植物は食い尽くされ、裸地・地滑りは広がり、島は崩壊の危機にあった。



 東京都の主な調査目的は、野生ヤギ被害状況と避難港建設の適地確認。魚釣島に上陸できず、小型船とラバーボートで近づき 洋上から調査。写真は小型船で北側斜面を調査している光景。ヤギ食害で、緑に覆われていた斜面の緑は消え、裸地化・地滑りが 起き、崩落している。海岸も植生が破壊され、隆起サンゴ礁の岩盤がむき出しになっている。(東京都 2012)



 急峻な南側斜面は崩落が著しい。ヤギが斜面の植物を食い尽くすと、 裸地化し、吹き付ける潮風にさらされ、地滑りが次々と起きて、崩落を引き起こす。 崩れ落ちてきた岩礫が累々とした光景。(同上2012)

 古賀村前の海岸も被害がひどい。ヤギ導入前は、海浜植生の草木が生い茂り、後方斜面はク バなどの緑に一面覆われていた。これがご覧の通りの無様な姿に一変した。古賀村を高波高潮から防いでいた 防波堤も崩れ、海岸は岩塊がゴロゴロと散らばっている。右側に城壁のように見えるのは、鰹工場跡の石積みである。(同上2012)

 ヤギが持ち込まれたのは1978年、2012年で32年、ヤギは殖え に殖えつづけ、島の植生、草木を食って、食い尽くしている。
 母岩が露出した斜面に姿を見せたヤギの親子。(同上2012)



  植生破壊、裸地化、地滑り・崩壊が進行

  政府は上陸調査を許可し、早めに、ヤギ被害対策を
    1979年(被害前)と2012年の比較


 1979年の未だヤギの食害を受けていない島の南西端の自然景観。ヤギは前年に北側で放 たれているが、ここ南西端までは食い至らず、往昔からの緑に覆われたままである。(新納義馬1979)

 調査団の一員で参加した石垣市が撮った2012年の写真。
 導入から32年で、殖えに殖えたヤギは、すでに、魚釣島全域が採食行動の範囲に入り、 島全体が食害に見舞われている。この2012年の南西端の写真と上掲1979年のそれと比較し て見れば、この事実は一目瞭然である。政府は上陸調査を許可し、ヤギ被害対策を講じるべきである。 (石垣市2012)



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