尖閣諸島の自然・開発利用の歴史と
情報に関する調査報告
―沖縄県における地域振興・島おこしの一助として ―
はしがき
研究目的と研究概要
尖閣諸島に関わる斯かる歴史的体験、知見、研究成果は、貴重な情報資源である。
本研究の目的は、これら情報資源を、本県の地域振興、将来施策に活用すると共
に、尖閣諸島の総合利用開発を推進する方策樹立に資することにある。
該目的に基づき、
Ⅰ章は「尖閣諸島の自然と生物相」の特性を述べ、魚釣島のヤギ食害とアホウドリの
2点について、現状の問題点と解決への課題を提起した。
Ⅱ章は、「尖閣諸島の学術調査の歴史と成果」について1979年以降、総合学術調
査が中断したままであり、斯かる学術調査再開、さらに過去の学術調査の研究成果の
社会への還元、等々の問題点と課題を言及した。
Ⅲ章は、尖閣諸島の開拓の歴史に関わる「戦前期沖縄の新聞に見る尖閣諸島および
古賀辰四郎」から、戦前沖縄における尖閣諸島及び同島開拓者古賀氏の具体像を浮
き彫りにし、本県との歴史的関わりの一端を概観した。
Ⅳ章は、「尖閣諸島海域における漁業の概要」について、
1終戦~復帰、2復帰後~現在の尖閣漁業のあらましを述べ、
現在衰退している問題点と課題を提起した。
Ⅰ~Ⅳ章に盛られている内容は貴重な情報資源である。
Ⅴ章は、「尖閣諸島に関わる情報資源の活用」として先島3市町関係者に対し、
①教育、②観光、③漁業(産業)振興への活用について聞き取り調査し、調査結果
をとりまとめた。
尖閣諸島に関してはこれまで国が主体だった。
今後は、真に本県の振興に資するには、地元沖縄県が率先して、尖閣諸島について
総合利用の基本計画を策定し、主導・推進していく必要がある。
斯かる観点から、
Ⅵ章の「施策樹立に向けてー 試案提言と事例紹介他」では、
「1.総合利用開発推進のためのシステム試案、
2.石垣市の『尖閣諸島開拓の歴史と自然展』、
3.尖閣諸島写真画像資料の収集・整理・刊行事業について、
4.図解:戦前における尖閣諸島南小島周辺での鰹節製造、
5.新技術による尖閣諸島における避難港の建設」を紹介した。
本研究の体制 執筆分担
前
(所属 役職)
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本研究の役職
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執筆分担
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新納 義馬
(尖閣諸島文献資料編纂会会長)
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代表者
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Ⅰ章
Ⅱ章
Ⅵ章の1
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國吉 真古
(同編纂会事務局長)
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担当者
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Ⅳ章
Ⅴ章
Ⅵ賞の1
Ⅵ章の5
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國吉まこも
( 同編纂会研究員)
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担当者
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Ⅲ章
Ⅵ章の2
Ⅵ章の4
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田中 一郎
(うらそえエコ子ども博物館長)
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担当者
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Ⅱ章
Ⅵ章の3
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尖閣諸島の自然・開発利用の歴史と
情報に関する調査報告
―沖縄県における地域振興・島おこしの一助として ―
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